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カルロ・マリア・ジュリーニ


このところフランスばかりで恐縮ですが、下のエントリーで「パリ管は音の悪いRadioClassiqueで我慢」と書いたのでFranceMusiqueで放送がないかどうかオケのページへ行くと、創立40周年でなんと過去の演奏会アーカイヴがあるではないですか!

とりあえずmémorableな六つの演奏会からそのほとんどを聴くことが出来るようです。
内訳は以下の通りです。

ダニエル・バレンボイム 1986年2月5-7日 パリ、サル・プレイエル
ヘンツェ:ファンダンゴ(世界初演)
リスト:死の舞踏
ファリャ:スペインの庭の夜
マルタ・アルゲリチ(ピアノ)

カルロ・マリア・ジュリーニ 1990年11月14-16日 パリ、サル・プレイエル
シューベルト:交響曲第4番 ハ短調 「悲劇的」
同:交響曲第8番 ハ長調 「グレート」

ゲオルク・ショルティ 1993年12月16-17日 パリ、サル・プレイエル
ベートーヴェン:荘厳ミサ
シャロン・スウィート(ソプラノ)ビルギッタ・スヴェンディーン(アルト)
ヴィンソン・コール(テノール)ペテル・ミクラーシュ(バス)
パリ管合唱団

ピエール・ブーレーズ 2001年6月20-21日 パリ、シャトレ座
バルトーク:管弦楽のための協奏曲
同:弦楽のためのディヴェルティメント

クリストフ・エッシェンバッハ 2002年5月23日 パリ、サル・プレイエル
モーツァルト:歌劇 「ドン・ジョヴァンニ」〜序曲
ヴェルディ:歌劇 「運命の力」〜序曲
同:歌劇 「オテロ」〜柳の歌
R・シュトラウス:交響詩 「ドン・ファン」
同:歌劇 「カプリッチョ」〜終景
ルネ・フレミング(ソプラノ)

ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ 2006年11月22-23日 パリ、サル・プレイエル
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番 ホ短調
同:ピアノ協奏曲第1番 ハ短調
同:歌劇 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」〜五つの間奏曲
セドリック・ティベルギアン(ピアノ)
フレデリック・メラルディ(トランペット)

すごいラインナップです。
それぞれバレンボイムはメイン・プロのアルベニスの「イベリア」抜粋、ブーレーズはポリーニとのバルトークの協奏曲第1番、エッシェンバッハはフレミングとのモーツァルトのコンサート・アリアをなぜか聴くことが出来ないのは残念です。
またブーレーズのコンサートはNHKのBS2でポリーニ含め何度か放送のあったもののようです。
中でもアルゲリチの「死の舞踏」と「スペインの庭の夜」はかなり珍しいでしょう。

さらにすごいのは夢にまで見たジュリーニの「悲劇的」と大ハ長調です。これは当時海外の演奏会情報でどうしても聴きたかったものでした。当然FMにも乗らず、CDでその後バイエルン放送響とのものが出たものの、パリ管には大感謝です。
早速大ハ長調を聴いてみましたが、全体の巨大さ、恰幅のよさはパリ管との演奏のが上だと感じました。第一楽章コーダや終楽章の第一頂点などの豪快さと来たら!それとなんというか、こちらの方がライヴの興に乗っていて、うねるように熱い演奏です。特に弦に粘りがあり、スケルツォの冒頭などは圧倒されるほど。まさにカンタービレ!これぞ涙モノの演奏。
ただ、逆にいうとバイエルンの方が金管の突出が抑え目で楷書体的なきっちり感があり、バランスがよいともいえますが。
また、スケルツォや終楽章での豪快なティンパニ付加はバイエルン盤では聴けないものです。終楽章コーダはディミヌエンドで締め、これはバイエルンと同じ。
驚くのはこの大ハ長調の後、拍手の収録がとても長いこと。おそらくはオケがはけても手拍子が鳴り止まず、マエストロ・ジュリーニが単身ステージへ出てきての大ブラヴォー祭り(いわゆる「一般参賀」)までが、完全に収録されているのでしょう。それくらいの演奏の出来です。

音の状態はどれもかなりの高音質で、満足できるレヴェルです。
余談ですがサル・プレイエルはホールとしてはデッドな音であまり評判がよろしくないようですが、録音で聴く限りは音の抜けがよく、シャンゼリゼ劇場とともにとても好きなホールです。FranceMusiqueが聴けてうれしいのもそれがあるから。

この上記のページに加えて、こちらのページでは、なんと1967年の創立から現在までの演奏会年月日・曲目・指揮者・ソリスト・演奏旅行などが検索できるようになっています。
オケでこれほどのデータベースはちょっとないでしょう。調べ物で過去の演奏会を探しても、どこのオケも二、三年前止まりが大体関の山です。しかもモノによっては、抜粋が聴けるのです(1967年ミュンシュとの「幻想」など)。期待としてはこれらの中からまだまだ聴かせて頂きたいものです。しかもINA収録による抜粋ながら、映像のページもあるようです。

・・・パリ管すごすぎ。
2007.03.13 3月5日
1985年3月5日、カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
マレイ・ぺライア(ピアノ)

モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番
ブルックナー:交響曲第7番
ベルリン、フィルハーモニー。

ジュリーニのベルリン・フィル客演でブルックナーを振ったものは今のところこれしかない。ウィーン・フィルでこの時期以降、後期三大交響曲を連続して取り上げており、交響曲第7番ではBBC LEGENDSからフィルハーモニア管を振った1960年代のライヴも出ていた。
BBCのライヴを聴いてこの演奏を聴いても、この二十年ほどの間でジュリーニ自身の解釈にそう変化はない。ただ、このベルリン・フィルとのライヴでは、レガートが強調され音楽自体の呼吸が深くなり、持ち前の流線型のフォルムがさらに雄大に響いているのが認められる。

参考までにジュリーニとベルリン・フィルの放送記録(NHK-FM)は以下の通り。
1976年 シューマン:楽園とペリ、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」(ワイセンベルク)、交響曲第7番
77年 シューベルト:交響曲第7番「未完成」、第8番
78年 G・ガブリエリ:小品、ジェミニアーニ:合奏協奏曲ト短調、ロッシーニ:スターバト・マーテル、ドビュッシー:海、ラヴェル:マ・メール・ロワ、ベートーヴェン:荘厳ミサ
84年 シューベルト:交響曲第4番、マーラー:大地の歌
85年 モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番(ぺライア)、ブルックナー:交響曲第7番
88年 モーツァルト:協奏交響曲(管の方)、ブラームス:交響曲第1番
90年 ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」、ヴェルディ:聖歌四篇
91年 チャイコフスキー:交響曲第2番、ラヴェル:マ・メール・ロワ、ストラヴィンスキー:火の鳥
2007.03.06 3月4日
1982年3月4日、クリストフ・エッシェンバッハ指揮バイエルン放送交響楽団
オラシオ・グティエレス(ピアノ)

ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
シューマン:交響曲第4番
ミュンヘン、ヘラクレスザール。

エッシェンバッハの指揮者活動最初期の演奏。指揮者としてチューリヒ・トーンハレ管と来日(チャイコフスキー5番など)したのがこの二年後であった。
今でこそ指揮者としての知名度も高いエッシェンバッハだが、この時期はまだ「指揮もするピアニスト」として見られていたのは仕方なかろう。
ただ演奏は、オケの鈍さもあるものの現在にも繋がる重厚な暗い響きをすでに醸しており、後の大成を予感させる。
2007.03.03 3月3日
1979年3月3日、ゲオルク・ショルティ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ルチア・ポップ(ソプラノ)
ミラ・ザーカイ(アルト)

マーラー:交響曲第2番「復活」
ベルリン、フィルハーモニー。

NHK-FM。シーズンこそ違うが1979年にはベルリン・フィルで圧倒的なマーラー演奏が二度演奏された。ひとつは10月のバーンスタインとの9番、そしてもうひとつがこのショルティの客演による「復活」である。
ショルティもカラヤンには忌避された指揮者のひとりで、カラヤン没後こそ頻繁にベルリンへ客演したが、この時期の客演はかなり珍しい。
演奏はカラヤン時代の全盛期を迎えたオケの巨大なパワーが凄い。オケ全体が光彩を放っているかのようなギラついた音色で、これほどの音響を引き出しながら茫洋とさせぬショルティの力量もやはり凄い。
2007.03.03 3月2日
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1977年3月2日、レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック

ラザール・ベルマン(ピアノ)

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
ニューヨーク、エイヴリー・フィッシャー・ホール。

ベルマンが大成功を収めた1976年のアメリカ・ツアー翌年の演奏。ニューヨーク・フィルの自主制作盤「BERNSTEIN LIVE!」の一枚目に所収。
CDに付された演奏会記録によると、この日は前半にチャイコフスキーの「ロメオとジュリエット」、プロコフィエフのピアノ協奏曲第1番が演奏されている。また、この演奏会は一日だけの特別演奏会のようだ。
バーンスタインと著名ピアニストのライヴ録音、というと真先に思い浮かぶのは1962年のグレン・グールドとのブラームスの第1番だが、両者がある意味水と油であった故の興趣が取り沙汰されたその演奏に比べ、このラフマニノフはまさに指揮者とピアニストの情動がぶつかり合い支配する超ロマンティックな大演奏となっている。
ベルマンの濃い表情付けに呼応してバーンスタインも叩きつけるような響きでオケを咆哮させ、幸福な出会いだったと思わせる一期一会の名演になっている。
2007.03.03 3月1日
1975年3月1日、ワーグナー:ヴァルキューレ

ジョン・ヴィッカーズ(ジークムント)
ジャニス・マーティン(ジークリンデ)
ドナルド・マッキンタイア(ヴォータン)
ビルギット・ニルソン(ブリュンヒルデ)
ミニョン・ダン(フリッカ)
ベングト・ルンドグレン(フンディング)

シクステン・エールリング指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団
ニューヨーク、メトロポリタン歌劇場。

戦後のMETでは1951年、57年、62年に続く「指環」の全曲上演となった1975年のサイクルから。指揮者は1951、57年はフリッツ・シュティードリー、1962年はラインスドルフが担当、この1975年はスウェーデンのシクステン・エールリングが担当した。
なお、これに先立つ1974年にはクーベリックが「神々の黄昏」を、1973年にはラインスドルフが「ジークフリート」を振っている。これは1960年代末にカラヤンがMETで「指環」を上演しようとして「ヴァルキューレ」までしか果たせなかった補完的な上演で、この1975年のサイクル上演をもってカラヤンの演出による「指環」は、ひとつの総決算となった。
この1975年のMETの上演は配役が興味深い。主役級は当時の世界的な歌い手が務めているが、準主役級をローゲのピーターソン、アルベリヒのリンツラー、フリッカのダン、ミーメのウルフングなど、MET勢が占めているのが面白く聴き応えがある。また、ファーゾルト、フンディング、ハーゲンの低声三役を、1970年だけバイロイトでも歌ったベングト・ルンドグレンが務めている(この時期バイロイトではリッダーブッシュが独占)。ルンドグレンは1976年にバイロイトに復帰している。
2007.03.03 2月28日
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1978年2月28日、エフゲニ・スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立交響楽団

ショスタコーヴィチ:交響曲第7番「レニングラード」
モスクワ音楽院大ホール。

SCRIBENDUMのCD。ライヴに限ってもスヴェトラーノフの「レニングラード」は三種も演奏が聴ける。1993年のスウェーデン放送響(Daphne)、1995年のハーグ・レジデンティ管(Canyon)に比べ、全盛期の手兵とのライヴである当演奏の価値はやはり高い。
スヴェトラーノフは客演先のオケからでも金管の深い響きなど、ロシアン・サウンドを引き出し得た(あのN響からでさえも!)ひとであったが、ハーグ盤が幾分マイルドとさえ言える恰幅のよさを示し、スウェーデン盤はやや大味な響きであるのに対し、すさまじい音響のこの地元ライヴにはやはり一日の長が感じられる。
2007.03.03 2月27日
1980年2月27日、ジェームズ・コンロン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
ドヴォルザーク:交響曲第4番
ベルリン、フィルハーモニー。

コンロンの若いころのベルリン・フィル客演。当時はロッテルダムのポストなどで注目を集める前であった。
ドヴォルザークの交響曲は5番以前になると途端にライヴでは取り上げられず、1〜3番などまったくない。4番もこの演奏だけではないか。
2007.03.03 2月26日
1997年2月26日、マリス・ヤンソンス指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

ワイル:「マハゴニー市の興亡」組曲
オネゲル:交響曲第3番「典礼風」
ワイル:ヴァイオリンと管楽のための協奏曲
ラヴェル:ラ・ヴァルス
ベルリン、フィルハーモニー。

ヤンソンスは1976年の客演が放送されて以来、1990年代まで放送はなかった。WOWWOWで「レニングラード」が流れてからベルリン・フィルへの登場も増え、今では常連の一人。上記プロも現在のヤンソンスとは思えぬ意欲的なプログラムで、まるでロジェストヴェンスキーが振るような感さえある。
2007.03.03 2月25日
1976年2月25日、カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

ヘレン・ドナート、ルーシー・ピーコック(ソプラノ)
バルバラ・シェルラー(メゾ・ソプラノ)ビルギット・フィニレ(アルト)
ペーター・シュライアー、ペーター・マウス(テノール)
ヴォルフガング・ブレンデル(バリトン)菅原昭悟(バス)

シューマン:楽園とペリ
ベルリン、フィルハーモニー。

ジュリーニはベルリン・フィルの常連で、この時期あたりからNHK-FMでもかなりの客演が放送されている。シューベルトの「未完成」「グレート」、「荘厳ミサ」「大地の歌」など印象深い。
2007.02.24 2月24日
1989年2月24日、ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー指揮フランス国立管弦楽団

ヴィクトリア・ポストニコワ(ピアノ)

ブゾーニ:ピアノ協奏曲
パリ、シャンゼリゼ劇場。

ロジェストヴェンスキーのパリ客演。MHK-FMのフランスのオーケストラ特集から。
ほぼ一時間半にも及ぶこのブゾーニの大作も、最近こそある程度の録音が出てきたが、この当時はまだ未知の曲に近いものであった。終楽章に男声合唱が絡む肥大した合唱幻想曲のような体裁に戸惑い、ロジェストヴェンスキーもほんと何でもやるなあと呆れた記憶がある。
当然ながらソリストは嫁さんである。このところロジェヴェンの身内贔屓は息子のアレクサンドル(ヴァイオリン)にまで及んでいる。
それはともかく5月のアムステルダムでのスクリャービン3番(オランダ放送フィル)は中継が楽しみだ。
2007.02.24 2月23日
1986年2月23日、ギュンター・ヴァント指揮北ドイツ放送交響楽団

イーディス・ヴィーンズ(ソプラノ)
ヒルデガルト・ハルトヴィヒ(メゾ・ソプラノ)
キース・ルイス(テノール)
ローラント・ヘルマン(バス)

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付」
ハンブルク、ライスハレ。

NHK-FM。海賊CD-Rでも出ていた。
翌年のRCAの正規録音でも声楽陣は同じ顔ぶれであった。
ヴァントのベートーヴェンはその峻厳な演奏様式が最もよく合う作曲家の一人で、特に1990年代のベルリン・ドイツとの1番と「英雄」や4番は神がかったような名演だった。北ドイツとはこの「第九」とキール城での5、6番が放送されている。
この演奏はティンパニにミスが聴かれるが、音楽自体の深さが並のものではない。