Theorin Irene
イレーネ・テオリン

今年のバイロイト音楽祭の配役予定がようやく出ました。
昨年は2月上旬には出たと思いますが、今年は月末ぎりぎり。
注目はすべてのメインキャストが総入替となったダニエーレ・ガッティのバイロイト初指揮となる「パルジファル」。
藤村さんが「指環」から抜けてクンドリー(!)。彼女のエールダは息が浅く、個人的には不満でしたが、これは役としても非常にハマりそうで、いまから楽しみ。
また、アンフォルタスには初登場のデトレフ・ロート。このひとはよくネットラジオで見かけるひとで、ワーグナーはグンターやドンナー、「ローエングリン」の伝令などを歌っていますが、アンフォルタスは実演初役とのこと。グルネマンツはローベルト・ホルがついに降りてマルケ王に回り、深みを増すクワンチュル・ヨウンが歌います。タイトルロールにはこのひとも初登場のクリストファー・ヴェントリスの名が。ヴェントリスは2006年のアムステルダムで、マリス・ヤンソンスが振った「マクベス夫人」のセルゲイ役の強烈な印象が思い浮かびますがパルジファルとは。このほかティトゥレルをブラジルのディオゲネス・ランデス、クリングゾルはドイツのトマス・イェサトコがいずれも前年初登場で端役から昇格となります。
最もうれしいのは「トリスタン」のイゾルデを復帰するイレーネ・テオリンが歌うことでしょうか。ステンメも実に素晴らしかったですが。同郷のビルギット・ニルソン譲りの透き通った美声の持ち主で、やや線は細いものの芯の強い表現で聴かせます。これは期待大です。既に2年前にモネ劇場で大野和士の指揮でイゾルデを歌っています。
トリスタンは2006年に引き続きロバート・ディーン・スミスが歌い、クルヴェナールはハルトムート・ヴェルカーから、オランダ人やアンフォルタスを歌っていたユッカ・ラシライネンへ。ホルのバイロイトでは初役となるマルケも楽しみ。なんと言ってもペーター・シュナイダーの指揮がうねるような熱を持っていたので、今年も名演が期待されます。
2年目となる「マイスタージンガー」は昨年とまったく変更がありません。評判のよくなかったハヴラタも含めて、ワーグナーの中ではアンサンブル・オペラですからキャストを変えずに表現の深化を待つということでしょうか。
3年目となるティーレマン・リングも男声陣には変動はありませんが、一昨年までゼンタのみを歌っていたアドリエンヌ・ダッガーがブリュンヒルデ、進境著しいオランダのドラマティック・ソプラノ、エーファ・マリア・ウェストブロークがいよいよ初登場でジークリンデを、同じく初登場のクリスタ・マイヤーがエールダと、女声陣は大幅に変更になっています。ラインゴールドマニアとしては、この楽劇の後半はエールダの出来にかかっていると言っても過言ではありません。さてどうか。

全体的な印象として、今年はかなり若返りが図られている感じがしますが、どうなりますことやら。音楽祭は7月25日の「パルジファル」で幕を開けます。

detlef roth
デトレフ・ロート
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