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イーゴリ・マルケヴィチ

フランス国立放送FranceMusiqueの毎週水曜夜(日本時間木曜未明)のアーカイヴ放送''C'était hier''(「それは昨日」とかそういう意味か・・・?)ですが、こちらのページで向こう一ヶ月の予定が出ているのを発見しました。

3月5日(いずれも現地時間)は既に番組表も出ていますが、ポーランドの作曲家、ユゼフ・ジグムンド・シュルツ(1875-1956)の1934年作のオペラ「マンドリン」の1954年の上演がロジェ・エリスの指揮、フランス放送リリック管弦楽団の演奏で放送されます。
シュルツのなにがフランスと関係あるのかといえば、ワルシャワ音楽院を卒業した後にパリでマスネに師事し、当地で歌曲やタンゴなど、主に軽音楽的な分野で活躍したということのようです。

12日には当月のハイライト、イーゴリ・マルケヴィチの登場。
「古典交響曲」、「ジークフリート牧歌」にコダーイの「ハンガリー詩篇」(独唱ヘフリガー)、それにクラウディオ・アラウとのブラームスのピアノ協奏曲第2番が予定されています。
このアラウとのブラームスは、ローザンヌ音楽祭に出演した際のボーリュー劇場における演奏が既にINAからCD化されています。これが実に重厚で巨大な名演で、アラウの濃厚な節回しと煽るマルケヴィチの指揮が、まさにがっぷり四つに渡り合って強烈です。第2楽章後半の燃焼振りは異常なほど。放送の演奏も同じかと思ったら、ローザンヌが1976年6月10日、今回の放送は6月18日となっていますので、違う可能性が大。ツアー後のシャンゼリゼ劇場でのライヴ、ということでしょうか。

19日は、モノラル期に主に活躍したフランスの名匠、ジョルジュ・ツィピーヌ(1907-1987)。
音楽之友社から出ていた「指揮者のすべて」というムック本によると、ステレオ時代にはパリ音楽院の教職にあったためにほとんど活動していないとのことですが、放送されるのは1960年代から70年代前半のもの。おそらく上記ムックの件は、公式の録音のことなのでしょう。少なくともフランス国内の演奏会では活動していたことが分かります。
曲はやはりご当地ものですが、これがまた渋い。オネゲルの交響曲第5番、早世したジャン・アラン(1911-1940)のオルガン曲を、パリ音楽院長を務めたレイモン・ガロワ=モンブラン(1918-)が編曲した「三つの舞曲」、フォーレの愛弟子ジャン・ロジェ=デュカス(1873-1954)の「フランス組曲」、ロジェ・カルメ(1920-1998)の「オルガン、弦楽と打楽器のための協奏曲」、締めにルーセルの最初のオペラ「パドマーヴァティ」(1914〜18)の抜粋。それもリタ・ゴール(!)、ジョセリーン・タイヨン、エリック・タピー、ロベール・マッサールにミシェル・セネシャルという豪華布陣。
こうして見るとわれわれが普段聴いているフランス音楽が、ほんの僅かな傑作だけなのかが分かろうというもので、このアーカイヴ放送が演奏家だけのものではないこともよく分かります。実に意義深い。

そして3月最終週の26日には、なんと我等が小泉和裕の登場です。
フランス国立放送フィルを振った1974年と75年の二つのコンサートから、グリンカの「カマリンスカヤ」、1957年のジュネーヴ音楽コンクールでアルゲリチと共に一位に選ばれた、知る人ぞ知る大ピアニスト、ドミニク・メルレとのフランク「交響的変奏曲」とプロコフィエフのピアノ協奏曲第1番、それにドビュッシーの「牧神」とチャイコフスキーの交響曲第4番。
小泉が第3回カラヤン・コンクールで一位に輝いたのが1973年11月で、その後欧米のメジャー・オケに頻繁に客演していますから、ちょうどそのときの録音になる訳です。手持ちのエアチェックにもベルリン・フィルを振った同時期の「牧神」とラフマニノフの「パガニーニ変奏曲」(独奏オロスコ)、「オルガン付」が確かあったはず。これを機会に聴き直してみたいと思います。

また、ストの影響で中止となった、ハンス・シュミット=イッセルシュテットの放送も、ちと先ですが4月30日に無事行われるようです。

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小泉和裕
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